明日の記憶 荻原 浩 光文社 2004-10-20 売り上げランキング : 26 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
50歳の主人公は、広告代理店の部長職をしている。自分の記憶にかすかな違和感を持ちつつも、平凡な生活を送っていたが、ある日、”若年性アルツハイマー”と診断される。
次第に失われゆく記憶。彼の苦悩と葛藤の日々が始まる。。
2005年”本屋大賞”第2位受賞作です。
以前、永作博美さん主演の「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」というドラマを見て、若い人でもアルツハイマーになるんだってことを知りました。
ど忘れ、勘違い、芸能人などの人の名前が出てこない・・・ってことは誰でも経験があると思う。
もちろん、私も。
本書を読んでいると、なんだか怖くなった。
宣告されてから、主人公は病気の進行を客観的に見ようとしていた気がする。
それは勿論、仕事や家庭の中で、自分を確かなものとして存在させるためだったのだと思う。
でもそれが読者には、彼と共に病気を知り、進行の様子を身近に見ている気になる。
記憶を失っていくことは、自分の存在さえも失っていくような気がする。
もし、自分がこんな風になってしまったら、ものすごい恐怖に襲われるだろうな。
忘れていることさえ、忘れてしまう。。
色々、考えさせられた本でした。
おしまいは、綺麗でした。
これからの彼の日々を思うと、よけいに美しく見えました。
どうやら、渡辺謙さん主演で映画化されるようですね。→情報!
監督は堤幸彦さん。
奥さん役は樋口加南子さん。
急性骨髄性白血病を克服した渡辺さんがどう見せてくれるのか、今から楽しみです。
《アルツハイマー病》
脳の神経細胞が侵され、脳が委縮して認知症の症状が出る疾患。言語や思考だけでなく体の機能も奪われ死に至る。国内患者数は150万人以上とみられ、そのうち65歳未満の若年性の発症は約10%を占める。日本の臨床報告にある最年少の発症事例は28歳。
【関連する記事】
人ごととは思えない話ですよね。
読んで衝撃を受けました。
「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」は私も
見ていました。やりきれなかったです。
早く治療方法が見つからないかしら・・。
映画化されるんですね。何だか楽しみです(^ー^)
日記のブログ、「Four Seasons」の方からも
TBさせてくださいね〜。
TBさせていただきました。よろしくお願いします。
こんばんわ。
ダブルTBありがとうございます!
紹介もしてもらって、これまた嬉しいです。
確か、この本もゆこりんさんの「のほ本♪」で知ったんですよ。
それからずっと、読みたくて。
あっという間に読みました。
そうなんです。あのドラマは今でも心に残っています。自分がそうなったら、家族に何を残すだろうって思ったりします。今だに・・・。
>早乙女さん。
はじめまして!
TBとコメントありがとうございます。
同じくらいに読んだんですね〜。
本当に、忘れられない本になりました。
どうにかしたいけど、どうしようもないっていうジレンマを感じました。
少し前にこの本を読みました。
身近に同じ病にかかった者がいるので
とても切なく読んだのを覚えています。
現実はもっとつらいものかと思うけど、
作品のラストはきれいでしたね。
はじめまして。
TBとコメントありがとうございます!
(エラーが出てごめんなさいね。)
そうですか。
身近な方にいらっしゃったら、よけいに切なかったですね…。
本当に、ラストはキレイで、それがかえってこれから迎えるだろう現実を示しているようでした。