2005年11月08日

いつかパラソルの下で

4048735896いつかパラソルの下で
森 絵都

角川書店 2005-04-26
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自分や兄、妹を縛り付けていた厳格な父の死後、考えもつかなかった父の秘密が露呈されていく。母は精神を病み、父へのわだかまりや不信感を持ちながらも、父が言っていた「暗い血」の意味を求めて、3人の兄弟は父の故郷へ。。


子どもは、親を選べない。
親の保護のもとに育っていく時、親のしつけや教育方針によって随分と偏った子ども時代を過ごす可能性もある。
成人してもなお、その呪縛から逃れられないこともある。
それから1歩先へと向かうことは、現実を知らなきゃいけないんだなあ。

現実を知ったから父親のことを「許す」っていう簡単な結果に、森 絵都さんはしなかった。
ただ「知る」ということだった。
自分もそれなりに悩んで苦労して大人になって、ずるいところやダメなところなんかもわかり始めて、父の人生を知ることで、父親を1人の人間として向き合えるようになったんだなって。

そう。
こういうことに、答えを求めちゃいけないよね。
それは、父親とのことだけでなく、家族や友人や恋人・・・との間の確執も、きっとそんなに単純ではなくて、かといって相手を知ったからといって、劇的に新しい展開に向かうとかでもないし。

日常の時間の中で、ゆっくりと落ち着いていくことなのかも。
ただ、きっかけは必要。自分たちで出来ることはあるはず。



森さんの作品はかなり読んでるけど、この本も好きだったなあ。
感想書いてると、すんごく重たく思えるけど、リズム感のある会話や文章でぐいぐい読ませてくれる。
終わり方も良かったです。

本の装丁も綺麗ですね!
カバーを外すと、また違った海が現れます。
こんな風に丁寧に作ってある本は、やっぱり大切にしたいと思うのです。

posted by しおん at 13:40| Comment(2) | TrackBack(1) | 和書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
父と娘の関係、複雑な思いで読みました。
亡くなってしまった後で本当は父がどういう
人間であったのか分かる場面ではちょっと
ぐっときました。
私は中学生のときに父を亡くしてしまったので・・・。
今日が命日だったんです。
私ももっと父を知りたかったと思います。
Posted by ゆこりん at 2005年11月08日 20:14
>>ゆこりんさん

いつもコメントとTBありがとうございます!
命日を静かに過ごされたとのこと、命は、記憶の中に生かされていくんですね。

色々と思いをめぐらせた本でした。
Posted by しおん at 2005年11月10日 12:49
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Excerpt: 父が嫌いで20歳のとき家を飛び出した。五年後、父が突然の事故死。父の死後、父の...
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